気品感じる虎屋の最中。日本の美学がネーミングにも

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菊の気高さと美しさにため息が

菊をかたどった最中は、弥栄。“いよいよ栄えに栄える”という意味が込められているのだそう。菊の花は気高くおめでたい花とされるので、菊の型の生地に縁起を担ぎます。

 

虎屋といえばあまりに羊羹が有名ですが、この最中の餡のクオリティは感動も覚える流石の味。品格があるといいますか。置いた姿も鎌倉彫の菓子皿の上で、凛としていますね。

 

「あ~、美しい」とため息が出そうになります。

気品感じる虎屋の最中。日本の美学がネーミングにも

画像を見ると、カメラとの距離によって夕暮れにぽっかり浮かぶお月様のよう。浮かび上がる美しい白色が、最中とは思えないのです。でも実はこの生地、茶色なんです。白に見えてくるから不思議。

命名には神様への感謝が

気品感じる虎屋の最中。日本の美学がネーミングにも

最中はほかに、御代の春の紅と白があります。紅はさくらの花を模っていて、中は白あん。白は梅を表現した生地で、漉し餡です。弥栄が粒あんとなっていて、3種の餡が楽しめます。

 

天皇の世が末永く続くようにとの願いを込めて命名されたという、御代の春。「御」という言葉は、もともと「神様」の意味があるのです。ですから、例えばご飯は御飯と書きますが、これはコメや料理がもともと神様の食事だったという意味の表れです。そのためご飯に敬意をおいていただく、日本独特の精神性。

 

老舗のお店だからこその美しいネーミングですね。

 

一口ごとに、甘さが口の中にいっぱいに広がります。一緒に飲むお茶は、煎茶はもとより抹茶でも相性抜群ですね。ゆったりとした時間が流れていきます。

※掲載情報は 2016/05/16 時点のものとなります。

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キュレーター情報

小倉朋子

(株)トータルフード代表/トータルフードプロデューサー

小倉朋子

(株)トータルフード代表取締役/亜細亜大学講師/「食輝塾」主宰/日本箸文化協会代表/農水省関東農政局食育推進ネットワーク幹事/ジャパンビアソムリエ協会マナー顧問/(社)エチケット・マナー協会理事

来世も再来世も食の仕事を!生粋の食マニア。トレンド、食文化、お取り寄せ、マナー、ダイエット、食育、伝統食…専門は広く、多角的に食の提案しています。どんなメニューも可能、店舗、食品関連のメニュー開発から一連のフードプロデュース多数。世界の食事マナーと食を総合的に学び生き方を整える「食輝塾」主宰。20年近く一度も同じ内容せず毎月開催を更新中!

●メディア
NHKラジオ番組3年以上レギュラー講師、日テレ「世界一受けたい授業」、テレビ朝日「芸能人格付けチェック」、はなまるマーケットなど出演、新聞、雑誌連載

●著書
『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』(文響社)、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『愛される「ひとり店」の作り方』(草思社)、『「いただきます」を忘れた日本人』(アスキー新書)、『グルメ以前の食車マナーの常識』(講談社)ほか、ベストセラー多数

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