『佐藤屋』で発見!山形名物「乃し梅」の進化バージョン「たまゆら」

『佐藤屋』で発見!山形名物「乃し梅」の進化バージョン「たまゆら」

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創業文政四年の伝統が息づく店内

『佐藤屋』で発見!山形名物「乃し梅」の進化バージョン「たまゆら」

山形には「乃し梅」という有名な和菓子があります。最上義光公が領主であった当時、山形城主の御典医であった小林玄瑞が、長崎での遊学中、中国人から梅を原料とした秘薬の製法を伝授され、気付け薬として山形に持ち込んだものが始まりだそうで、それが玄瑞の子孫により民間薬として広まったものを、より食べやすく菓子として売り出したものなのだとか。創業文政四年(1821年)。『乃し梅本舗 佐藤屋』が文献に残る最古の1軒といわれています。

 

原料は村山産の梅、長野の寒天、砂糖のみで、木枠のついたガラス板に流し込み、平行器を用いて、平らにして、固まるまで待ち、乾燥室へ。そして数日で完成し、独特のステンレス包丁でカットして完成。思いのほか手作業で作られた「乃し梅」は、梅の酸味と、ガラス板を用いる製法ゆえのつるりとした滑らかな食感が素敵です。現代では、アルカリ性食品でクエン酸を多く含む梅の健康食品としての側面からも高い人気なんだそう。

和と洋が織りなす味とパッケージも魅力

『佐藤屋』で発見!山形名物「乃し梅」の進化バージョン「たまゆら」

しかし、今回ご紹介するのは進化バージョンです! チョコレートとの融合で「たまゆら」という新商品になりました。生チョコの上に乃し梅が乗っていて、お酒にぴったりだとかで、Barなどが仕入れてくれたりもしているみたい。「乃し梅も、時代と共に進化するんだ」と敬服することしきり。しかももっと驚いたのが、売り上げの1/3はレストランなどの卸しなんだとか。日本料理店やフランス料理店などで、他の食材と組み合わせて、前菜などに使用する事も多いそう。伺えば伺うほど、奥の深い「乃し梅」なのでした。

※掲載情報は 2016/02/21 時点のものとなります。

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キュレーター情報

はんつ遠藤

フードジャーナリスト

はんつ遠藤

東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。

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