雪の下で糖度を増したにんじんのおいしさ

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雪の下で甘くうま味たっぷりに完熟するにんじん

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にんじんは地域によっても作期が違いますが、だいたいは春から初夏に種をまいて秋に収穫することが多いものです。しかし、東北地方には雪が降るまで収穫しないで寒~い中で完熟させるという育て方があります。そうして育てたにんじんのジュースは格別と、ある食品メーカーの方から聞いたことはありましたが、これがそうという形で口にしたことはありませんでした。と、このたびライター仲間の荻島央江さんが青森県深浦町の「雪にんじん」を使った商品をおすそわけしてくれました。わーいと喜んで包みを開けて、まずその色の鮮やかさに感動(写真がうまく撮れていなかったらごめんなさい)。なんともおいしそうなオレンジ色もといにんじん色です。

冬の日本海からの風雪の中での収穫作業

雪の下で糖度を増したにんじんのおいしさ

深浦町は青森県の西、日本海に面して秋田県に接する地域。「雪にんじん」は1月~3月に収穫といいますから、冬の日本海の風雪の中の作業を考えただけでもたいへんなことだとわかります。でも、そこまでするから特徴のあるおいしいものが出来るんですね。「雪にんじん」はとにかく糖度の高さとうまみ成分の多さが自慢だそうです。これは青果としての出荷もあるようですが、最適な加工をすることでより遠くのより多くの人に食べてもらえるようにと、いわゆる「農業の六次産業化」にも力を入れています。今回いただいた商品を作っているのは深浦町農水産物加工場というところ。町の拠出で設立した深浦町食産業振興公社という団体が運営しています。

風味が活きるなめらかなペースト

雪の下で糖度を増したにんじんのおいしさ

加工のメインは甘い「雪にんじん」をなめらかなペーストにすること。主に学校給食や食品メーカーへ食材として出荷しますが、これを使った各種の商品も作っています。その例が、今回ご紹介するジャム、ドレッシング、ポタージュです。まずはジャムをひとなめ――やはり何と言ってもなめらか。ジャムなのでグラニュー糖を使っていますが、ニンジンの風味も生きています。でも、子供が嫌がるニンジンのクセのようなものではなく、上品なフレーバーがすっと鼻に抜けるような感じです。パンに塗ってみると鮮やかさと透明感が素晴らしい。ほんのりとケチャップに似た感じでもあるので、たとえばチーズを乗せたカナッペにちょこんと飾るなどもいいかも。

味だけでなく色も味わいたい

雪の下で糖度を増したにんじんのおいしさ

ドレッシングは甘味と酸味のバランスがとれたフレンチドレッシングがベースになっていてどんなサラダにも合いそう。でも、せっかくだからこの色を見てほしいので、キャベツなど白いもの主体がいいでしょう。よくさらしたオニオンスライスなどに合いそうです。グリーン系なら色の浅いものに合わせるか、食べる直前まで器に取っておいてお客さんによく見せて。ポタージュは温めてすぐ食べられるレトルト入り。これもニンジンの風味がほどよく生きた品のよい味ですが、飲むというより食べる満足感を感じます。やはりその色を際立たせたいので、盛り付けたら真ん中に生クリームをくるっと垂らすといいかもしれません。けっこうなものを頂戴しました。

※掲載情報は 2015/03/27 時点のものとなります。

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キュレーター情報

齋藤訓之

FoodWatchJapan 編集長

齋藤訓之

北海道函館市生まれ。1988年中央大学文学部卒業。レストランビジネスを志していたはずが、レストランビジネスに役立つ本を作る仕事にのめり込む。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、日経BPコンサルティングのブランド評価プロジェクト「ブランド・ジャパン」プロジェクト責任者、農業技術通信社「農業経営者」副編集長等を経て、フリーランスのライター・編集者として独立。2010年10月株式会社香雪社を設立し、農業・食品・外食にたずさわるプロ向けの情報サイト「Food Watch Japan」をスタート。著書に「入門 日本の七十二侯と旬の食」(洋泉社)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、「創発する営業」(共著、丸善出版)、「創発するマーケティング」(共著、日経BPコンサルティング)など。

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