英国では紳士が衿を正すといわれる、一目おかれる紅茶「ラプサン・スーチョン」

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この燻した香りがわかれば、貴方も紅茶通

英国では紳士が衿を正すといわれる、一目おかれる紅茶「ラプサン・スーチョン」

この香りに夢中になってロンドンのティールームなどで注文したならば、「おぬし、やるな」と一目置かれること間違いなしですが、一緒に甘いクリームのケーキなどはオーダーしてはいけません。「ラプサン・スーチョン」にはスモークサーモンやチェダーチーズが合うのです。でも自宅でいただく際に本当にお勧めしたいのが、和菓子とのペアリング。道明寺や桜餅など塩漬けの桜の葉とともにいただいてみてください。クセになること間違いなしですよ。

19世紀後半の英国貴族のドローイングルーム、いわゆる応接間でのティーパーティーでは、ティーポットは必ず二つ用意して「イングリッシュティーにしますか?それともチャイニーズティーにしますか?」と女主人がお客様に聞いてまわったと、マナーの専門家である神戸の佐藤よし子先生に習ったことがあります。この「ラプサン・スーチョン」は中国茶、つまりチャイニーズティーです。正山小種と書きます。

正山小種(ラプサン・スーチョン)は、紅茶が生まれた中国の福建省で誕生しました。 武夷山桐木村では古くから岩茶が作られていましたが、17世紀の混乱期に軍隊の駐屯地となり、おかげで茶の製造作業ができなかったため、軍隊が去った後に松を燃やして茶葉をより早く乾燥させ、たくさんの紅茶を作ろうとしたところ、茶葉にその松を燻蒸する香りが定着したとい言われています。そして、それがロンドンで飲まれるようになってから、さらに燻製香の強いものが好まれ現在のような強烈な香りとなりました。その香りが日本では正露丸にたとえられるほどの苦味のある燻製香ですが、正露丸の主成分であるクレオソートの香りが松葉による燻香とほぼ同じだからなのだそうです。非常に特徴のある香りのため好みが分かれるところですが、その香りにひとたび魅せられるとクセになる紅茶愛飲家も多くいます。

私が数年前に紅茶専門店をオープンした際に、特にツィードのジャケットなどを着た男性から、お店のカウンター越しに「ラプサン・スーチョンはこちらには置いてありますか」と落ち着いた低い声で聞かれることがありました。これは一瞬にして(紅茶に詳しいお客様だわ)と、背中がピンとなる合図でした。

紅茶を愛飲すればするほど、「ラプサン・スーチョン」の独特な燻製香の虜になり、紅茶愛好家の棚には必ずや「ラプサン・スーチョン」が並んでいるはずなのですが、とにかく手に入れることが難しい。そこでお勧めなのが、FORTNUM & MASONのティーバッグ。日本中の百貨店にあり手に入れやすく、しかも小包装のため香りがまわりに移りにくく、手軽に楽しめます。

英国では紳士が衿を正すといわれる、一目おかれる紅茶「ラプサン・スーチョン」

※掲載情報は 2015/02/12 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岡田美里

日本紅茶協会名誉ティインストラクター

岡田美里

聖心女子大学卒業、28歳から3年連続で「婦人女性誌の表紙を最も多く飾った女性」に選出、「カリスマ主婦」と日本で初めて言われ、料理教室は4年後の予約まで埋まった。テレビ朝日の芸能人料理番付「愛のエプロン」で最終首位となる。2006年にデンマーク王室御用達180年の老舗紅茶店を日本に招聘し、2012年から日本紅茶協会認定名誉ティーインストラクターとなる。50歳を超えてからは体力のいる料理教室は引退し、紅茶店経営の頃からスタートした紅茶と刺繍教室のみ続けている。本業はデンマークで35年の歴史をもつアクセサリー「トロールビーズ」の輸入総代理店の代表者、全国に23店舗を展開しチーフブランディングオフィサーを務めているが、どちらかというとスタッフのお母さん的存在。プロモーションも兼ねた「イレブンシズ(am11:00)のお茶会」に力を注ぐ日々。祖母はデンマーク人、父はE.H.エリック、叔父は岡田真澄。
グラフィックデザインを手がけるモデルの長女(24)、造形学部建築インテリア学科の大学生(20)の次女がいる。
現在幼馴染のパートナーとジェットコースター人生を驀進中。

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